自律訓練法についてのイロハ~

自律訓練法2

自律訓練法とは

自律訓練法は、リラクゼーション法の一つで、世界中で広く知られています。
1932年、精神医学者であるヨハネス・ハインリヒ・シュルツ(J・H・シュルツとも)教授が始めました。

ヨハネツ・ハインリヒ・シュルツ


ヨハネツ・ハインリヒ・シュルツ

  • ドイツの精神医学者、心理療法士
  • 1884年6月20日~1970年9月19日


精神科や心療内科などでも使われる自己催眠法で、数分で心身の疲れがすっきりとれ、全身をリラックス状態にさせることができます。

自律訓練法には6つの公式があります。慣れるまでは、「第2公式」までで十分です。
終えた後にする「消去動作」というものがあります。

自律訓練法は複数の訓練からなり、「標準訓練」、「黙想訓練」、「特殊訓練」などがあるそうです。
この内、中心になるのは標準訓練で、これが自律訓練法の基本的かつ必須の部分となります。

自律訓練法 効果のほどは…

自律訓練法は、ストレスの緩和、疲労回復、勉強・仕事の能率を向上させる、抑うつや不安感を軽減させるなどの効果があり、心身症、神経症などの精神科、心療内科領域の病気にも効果があります。

自律訓練法は自己催眠への誘導法です。このため、深いリラックス状態、多幸感、変性意識状態などを体験することとなります。

自律訓練法 公式

自律訓練法・標準訓練

最も一般的な自律訓練法は、背景公式(もしくは、基礎公式)と第1公式〜第6公式の合計7つの公式からなります。

背景公式
気持ちがとても落ち着いている。

第1公式
手足が重い。-「右腕が重たい」「左腕が重たい」「右脚が重たい」「左脚が重たい」/「両腕が重たい」「両脚が重たい」/「両手両脚が重たい」

第2公式
手足が温かい。-「右腕が温かい」「左腕が温かい」「右脚が温かい」「左脚が温かい」/「両腕が温かい」「両脚が温かい」/「両手両脚が温かい」

第3公式
心臓が静かに打っている。

第4公式
呼吸が楽になっている。

第5公式
お腹が暖かい。

第6公式
額が涼しい。

これらの公式を順に心の中で繰り返し唱え、自己催眠状態になっていく。

消去動作 

下記の運動により特有の生理的変化や意識状態が取り消されます。


自律訓練法では、特有の生理的変化や、脱力感、めまい、などが生じることもあるそうです。
そのため、自律訓練法のあとでは、消去動作を行うことが推奨されています。

  • 両手の開閉運動
  • 両肘の屈伸運動
  • 大きく背のび
  • 深呼吸

リラックス効果を期待するだけの場合は、第2公式までを練習すれば十分で、3~の公式は自己催眠状態など、深い状態を目指す時に利用します。

それぞれの対象者の目的に応じて、いくつかの公式を省いたり、違う公式にしたりすることもあるようです。

自律訓練法 やり方

指導者や個人の見解でやり方に違いはあるそうです。
ヨハネス・ハインリヒ・シュルツ(英語版)・日本の臨床心理学者、成瀬悟策が書いた「自己催眠」による訓練の進め方についての内容からの一部を説明します。

姿勢の留意点

  • 仰向け
    初心者であれば、練習するのに最も楽な姿勢が仰向けです。寝椅子か床、あるいは直に畳に横たわれます。

両脚は少し開いて力を抜きます。もも部分の力を十分緩めるには、膝の関節の下あたりに畳んだ毛布やタオルなど、支えを置くと良いでしょう。

かかとはくっつけないほうが良いそうで、頭、肩、胴などは左右に偏らせず、まっすぐに。頭や首、肩が最も楽になるように枕を調節してください。

腕は力を抜いて少し曲げ、胴の脇に掌を下にして置きます。
指は伸ばし気味に、自然に曲げ胴に触れないように。

これらのことをどれかを欠くと好ましくない効果が生ずることがあります。
マットレスや枕など柔らかいものを使うと頭や肩が緊張する人もいるので、そのような場合は畳の上のような硬いもののほうが良いことも。人によって色々試してみるとよいでしょう。

心構え

心構えは練習の進歩に直接的な影響を及ぼします。
「虚心」「持念」「留意」の3つが大事であるそうです。

  • 虚心:公式の示す内容を早く実現しようと、意気込んだり、集中しようとせず、ぼんやりとその公式に心を向けていることが必要。公式の内容についての意味を考える必要もありません。
    無心の心構えで公式の内容が体験的に実現するのを待つのが良い姿勢です。
  • 持念:公式を断えず念頭に持ち続ける事が次に大切です。
    虚心、無心と言っても何も心にないというのではなく、公式の言葉を、その意味から離れて心のなかに維持します。例えば、公式の文字を字幕のように心像として眺めるのもよいですし、あるいは声を聞くかのように繰り返し聴き続けてもよいでしょう。
  • 留意:同時に公式が示す身体の部位に心を置きます。太陽神経叢(お腹)、脚、足などの身体部位をある程度正確に知り、留意することが大切です。
    その部位に対して、「重くなれ」とか、「重くなったかな」と気を配るわけではなく、虚心のまま、ひたすらそこに留意するだけで大丈夫です。

これらの心構えが自律訓練法ではもっとも重要なもので、自律訓練法では全てがそうした特殊な心構えを習得するために組み立てられています。これを適切に出来るようになることを目的にした練習法だと言って良いほどです。

各自がその心構えを習得するために、それぞれ工夫することが必要です。

暗示

「自己催眠」によると、一つの公式の効果を感じるまで、次の公式に進んではいけない、とあります。
初めのうちは、第1公式の「重い」だけを繰り返すようにしましょう。

また、「右腕が重い」「左腕が重い」など対象部位を細かく分けていきます。
その対象部位に公式の感覚が出てくるまで、次の部位に進まず、一つ一つ丁寧に進めていきます。

はじめは、背景公式の次に「右腕が重い」を30〜60秒繰り返したら、すぐに消去動作に移り1回の訓練は終わりとなります。
この腕はふつう、利き腕から始めます。左利きの人は左腕から始めてください。

対象部位に効果が出るようになってきたら、次の部位を公式に組み込んでいきます。
また初めから、背景公式を行い、右腕が重い、左腕が重い、そしてまた消去動作を行います。

これを繰り返しながら、右脚が〜、左脚が〜、と取り組んでいき、効果が簡単に出るようになったら、まとめて両手両脚が重い等としていきます。

更に進むと、第1と第2をまとめながら、両手両脚が重くて温かい、などと短くまとめることができるようになります。

公式の間に適時、背景公式の「気持ちが落ち着いている」を何回かはさむようにします。

訓練初期や初心者は1回の訓練は長くて5分ほどで終了しなければいけません。
公式を短くまとめるのもそのためです。一度練習を行ったら、終了・覚醒し、すぐに2回目の練習に入ります。

1回の訓練を長々とやっていても効果が上がらず、逆効果となります。回数を何度も重ねることで効果的な取り組み方となります。
基本的には、一度の練習は3回を1セッションとして、朝・昼・晩と3セッション練習するのが良いとされています。

出来ない場合は朝・晩の2セッション、或いは就寝前に1セッションだけでもやるようにするとよいでしょう。

効果を上げるのに一番大事な事は、練習量が少なくても毎日継続することです。
毎日続けていない場合、進歩が著しく停滞します。

大抵の場合、1〜6の公式、それぞれの習得には数週間~長くて2ヶ月程が必要です。
全ての公式の習得に早ければ1ヶ月、長くて1年以上かかるといわれています。

黙想訓練

  • 標準訓練の深化
    以下の公式で、20〜30秒で全ての効果が出るように訓練します。

①気持ちがとても落ち着いている
②両腕・両脚が重たくて、温かい(数回反復)。
③気持ちがとても落ち着いている。
④心臓が静かに規則正しく打っている。
⑤楽に呼吸をしている。
⑥お腹が温かい。
⑦額が涼しい。

はじめのうちは集中が続かず無意味、逆効果となるので1回の訓練時間は長くて5分程でしたが、習熟するに従って伸ばすようにしていきます。
5分~30分くらいまで伸ばし、効果を維持出来るように訓練する。

また、雑音や色々な妨害刺激がある日常の生活場面でも、練習がうまく行くように訓練していくとよいでしょう。

色彩心像視

この訓練は30分~1時間まで時間を延長しなければならないかもしれません。
練習は、次の2段階に分けてすすめます。

  • ①自然色心像視
    2〜8週間にわたって自然に現れる視覚的な色の経験を習得していくと、ある混合色が見えるようになります。そして、その内の一定の色がはっきり見えるようになってきます。それはいわば個人色で、練習者自身の、それぞれ意味のあるものであり、「こうでなくてはいけない」というような標準色というものは存在しません。
  • ②特定色心像視 
    意図した色(指導者が指定した色)が楽に心像視出来るように訓練します。
    この色は、イメージや物体の色ではなく(表面色的ではなく)、主としてスペクトル的な色(平面色的)です。

普通は、個人色から始めて、徐々に変化していって最後には指定された色が自由に見えるようになります。大体、2〜3週間掛かるのが普通です。

事物心像視

これは、色彩の視覚心像化よりも困難になっていきます。したがって練習時間も40〜60分に延長し忍耐を持って進めないといけません。

  • ①具体的心像視
    はじめ、ある具体的な事物全般について、完全に受動的な態度で待っていると自然にある事物が心像となって現れる。勿論、漠然としていて曖昧であり、出現時間も短いものである。数週間の内にだんだんはっきりと現れるようになり、イメージも消えないようになる。そうなるまで次の段階に進まない。
  • ②抽象心像視
    「公正」「自由」「幸福」などのような、抽象的なものに注意を集中しますが、人によってかなり違った経験を体験します。映画のように生き生きしたもの、一辺の紙切れのようなもの、非現実的な幻想などと多様です。これを2〜6週間ほどつづけます。

自己統制のよくできる、判断力のある練習者ではこの段階から、カタルシス効果を上げるよう練習を進めることが出来ます。

場面・情動経験

広々とした海を眺めている時に経験する気分のような、概括的な感情状態に注意集中することからはじめます、過去の体験、願望の世界などを心像視していきます。
多くの場合は、映画のようなイメージが現れてくるそうです。

日常の生活場面や、過去経験に関係した特定の人物は、はっきりと視覚化されにくいのが普通です。

  • 人物心像視
    はじめは、比較的中性的な人物の視覚化に注意を集中します。
    イメージもぼんやりしていて消えやすいけれど、数週間~数ヶ月練習すると、だんだんはっきりしてきて、消えなくなってきます。
    そして、敵意を抱いている人、嫌いな人をも視覚化出来るようになり、それらの人に対する態度もはっきりしてきます。
  • 自己観照
    「自分は何がしたいのか」、「自分にはどんな欠点があるか」、「自分自身とは何か」というような形で自分自身に問いかけながら、自然に現れるイメージを見ていきます。

これは個人差も大きく、経験は様々です。神経症的な人の場合は、コンプレックスと関連した心理・力動的な問題が色々と現れてきます。

  • 特殊訓練
    上述の練習を患者に適用するための補助的な練習として、「器官調整法」と「自己鍛錬法」の2つの方法が加えられます。

「器官調整法」は主に生理的効果、「自己鍛錬法」は心理的効果を狙う臨床的方法であります。いずれも、標準練習がマスターされた練習者にのみ適用するのを原則とします。必ず指導者の指示の下にしか用いさせてはなりません。


おわりに

いかがでしたでしょうか。
なかなか本格的というか、色々と訓練が必要みたいですが、取り組むやりがいはありそうですね。
ただやはり、自律訓練法を伝えてくれる指導者が必要なようです。

公式2まではリラックス効果のみと、気軽に取り組めるようですし、試してみるのはいかがでしょうか。

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